贈り物として [芸術]
今、教室の生徒さんの中に結婚式を挙げるお友達に夫婦の絵を描いている方がいます。
学生時代からのお友達で、生徒さんのお家に遊びに来た時に飾ってある手描きの絵を見て
『絵、描いてるなら私達も描いてよ!!』
と頼まれたそうです。
その生徒さんは油絵を描いてまだ3枚ぐらいなのですが初めての方にしては大変お上手でした。
しかし肖像画となるとまた話は変わってきます。
何せ人物は描いたことがないのです。
その時は『いつになるか分からないよ』とごまかしたそうですが、目前に迫った結婚式の時のサプライズプレゼントとして描くことを決意したようです。
まずは写真を拡大コピーして、顔だけ切り取り、キャンバス大の髪に構図を決め貼り付ける。
次に顔を正確にキャンバスにデッサン(輪郭線のみ)し、描き始めます。
まず肖像画を描くなら写真が大変重要です。
・光の向き(一定方向から当たっているもの)
・全体像(描きたい部分が全部写っている。 バストアップなら頭から胸辺りまで)
・写り(その方が魅力的に写っている)
もし肖像画を描きたい方、描いて欲しい方がおられましたら写真選びに気をつけてください。
大体10-20枚くらいあるといいでしょう。
誰かのために描くということは非常に描きがいのあることです。
プレゼントされた方の喜んだ顔を浮かべながら描くことができます。
自分で描いた絵をプレゼントなんて素敵な贈り物ですよね。
その絵も今日で仕上げです。
さて、どんな作品になることでしょう。
パウル・クレー [芸術]
もうすぐ札幌にパウル・クレー展がやってきます。
久々のビッグネームの展覧会ということで今から、ワクワクとテンションが上がりっぱなしです。
講義でも今月はパウル・クレーを取り上げています。
パウル・クレーとはカンディンスキー、モンドリアンに並ぶ3大抽象画家の一人です。
彼の絵は一見すると子供が描いた絵のような遊び心に溢れているようです。
けれど本質は、遊び心という表現では全く表現しきれない程、複雑で深い意味が込められています。
彼の絵は彼の哲学が表現されているのです。
線一本、円、四角、三角、動き、方向
単純な物一つ一つが漢字のように明確な意味を持っています。
いわばクレー語。
線や、図形が漢字であり、それを使って彼の絵画哲学を表現しているのです。
セザンヌ、ピカソ、マティス、レジェ、モジリアニ 等
巨匠と呼ばれる人の絵にはその人独自の見方、表現そしてそれぞれの絵画哲学が詰まっています。
だからこそ変わった絵に見えても絵画としての価値があり、技術としての重みがある。
ゆえに後世に伝えられているのではないでしょうか。
今回はクレーの絵によって、彼の哲学を学び彼が表現しようとしたものをより深く理解できたらいいなとおもっています。
夏期講習 コラージュ [芸術]
7月最後の夏期講習はコラージュを行いました。
コラージュとは持っている材料、紙、石、木、布、鉄、貼り付けられるものは何でも貼り付けて絵にするというものです。
オブジェとレリーフの中間のような存在で、このコラージュが出来たことで現代美術が大きく発展しました。
コラージュからオブジェが生まれたのです。
ちなみに紙や写真だけを貼り付けるのはパピエコレと言われています。
今回はキュビズムのコラージュの講義でした。
ポイントはいくつもあるんですが少しだけ紹介しますね。
①異素材のぶつかり合いによる不協和音
②インパクトのある構図
③作者の狙いを前面に出す
これだけでは分からないと思いますが興味のある方は是非、講義を受けると面白さが味わえると思います!!
コラージュをすると必ず起こる現象が・・・。
散らかる。
このような有様です・・・。
でもちょっと芸術家っぽくありません?
これぞ、アトリエ!!
夏期講習 レリーフ [芸術]
今、研究所では夏期講習の真っ最中です。
今日は小学生の夏期講習があり、粘土でレリーフを作りました。
色々な粘土の中からブロンズ粘土を選びました。
そこに行くまでには試作として何種類かの粘土でレリーフや、立体を作ってみました。
これが一例です。
可愛いでしょ♪
お間違いなく、紛れも無く象ですよ!?
青っぽいのがブロンズ粘土で、ピンクっぽいのが乾くと木っぽくなるものだそうです。
いやー、粘土も色々ありますねー。
乾いてからストッキングでこすると光沢が出るらしいので、いつかこの象たちをピッカピカにしてあげたいと思います。
小学生が作った作品はこちら。
とある画家の切り絵を元に制作しました。
何枚か絵を見せてその中から子供達に選ばせて作りました。
誰の絵か分かるかな~?
分かったあなたは通です!!
って、画像が悪くて申し訳ありません・・。
再開 [芸術]
大分放置してしまったこのブログ。
見に来てくれた方更新せずにすみません。
もう一度再開します!!
もし見に来てくれた方がいたらまたよろしくお願いします。
今教室では古典技法の講義が行われていたりします。
これはレンブラントの自画像の模写です。
今までやってきたのはわりと近代絵画が多かったのですが
こうしてこの長い絵画の歴史の大半を占めてきた個展技法を学ぶことで、
様々な画家が受け継いできた歴史を自分も受け継いでるのだと、芸術家としての喜びがまた一つ増えました。
油絵というものの特性をフルに活用した非常に無駄の無い技法。
時代時代の天才達が受け継ぎ発展させてきた、言わば芸術の宝ですよね。
その技法を廃れさせること無く次世代へもバトンタッチするという、大きな使命に燃えています。
セザンヌ [芸術]
大分仕上がりに近づいてきたセザンヌ。
ここでの講義は一回にかけられる時間が大体1時間30分。
セザンヌをやるにはちょっと・・・、いや、かなり少ない。
セザンヌはまず色を何色も何色も何色も作るところから始まるので、4時間ぐらいは描いて居たいんですけどね。
しかし、セザンヌ本人は一色置くのにも、一時間ぐらいかけるほど繊細に見ていたそうです。
・・・じゃあこの講義では多くても2色程度ですか??耐えられません。
次回で完成の予定ですが、果たして仕上がるのか・・・。
当研究所の昔の生徒さんの作品を見本に見せていただきました。
モンドリアン
今回のモンドリアンは先週のスケッチを元に油絵にしました。
まだ一回目ですが、中々の力作が出ました。
3色の風景画。ただ3色を使えばいい訳ではなく、バランスや分量が鍵なんです。
モンドリアンの特徴の、モニュメント的な雰囲気がかもし出されればいいなあ・・・。
手作りキャンバス [芸術]
本日は【絵画組成】のお勉強。
キャンバスに『にかわ』を塗るという作業をしました。『絵画組成』は本来はもっともっと科学的で、本当に細かいところからやることが多いんですが、今回は初歩的なにかわ塗りだけです。
湯煎で60℃ぐらいを保ちながらの作業です。
小さいサイズのキャンバスから徐々に大きくしていったのですが、9ヶ月ぶりのこの仕事。
見事に忘れておりました。
【すばやく・ムラ無く・リズム良く】のどれもが・・・。
0号、SM、3、4号、そして8号になってやっとこ勘を取り戻してきた感じです。
塗っては並べ、塗っては並べの繰り返し。
こうして単純作業していると色々な雑念が入り込んでくるんです。それに負けると、もうボロボロです。
しかしこのキャンバスがいつしか名画へなるんだと思うと、他では体験できない喜びを味わえます。
手作りのキャンバスに私はまだ中々手を出せませんが、描かれた作品を観ると雰囲気が全く違います!!塗り残しても市販のキャンバスに比べて非常に味わい深いですし、格調高い作品になりますね。
『絵画組成』はキャンバスを張るところから始めたり、もっと突き詰めればオイルを作り、それに顔料を混ぜ絵の具にするという課程もあるんです。
一つ一つの話を聞いただけで気が遠くなるような作業ですが、こうした作業の元に今も残された名画の数々があり、それを道しるべとして今の絵画も出来上がっているんだ、と歴史と研究の偉大さを感じます。
また、そうして一から作り上げているとまるで昔の工房にタイムスリップした気分になれそうです。
待ってろよ~、キャンバスちゃん!!名画にしてあげるからね~~!!
モンドリアン 風景画 [芸術]
土曜日の講義はモジリアニ、モランディ、『モから始まる名前の画家』が続いていますが、今回もモで始まる画家です。
抽象画の3大巨匠のうちの一人モンドリアンです。
モンドリアンといえば、四角く区切られた画面と、青、赤、黄色の3原色での着色を思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は風景です。
それも風車のような『粉引き場』。
とても意外な作品でしたが、彼特有の3原色での着色が前面に出ているので、非常に興味深い物でした。
それに習い3原色での風景のスケッチ・・・。こうしてみると中々魅力的な建物ってないものですね~。
これがモンドリアンの絵の一部です。
セザンヌ [芸術]
大変更新が遅くなりました!!
申し訳ないです・・・。
というわけでまたもセザンヌが始まりました。
しかも今回は長いスパンでセザンヌを学ぶ予定なので、もし興味がある方は是非見学にいらしてくださいね。
モチーフはこんな感じです。
このクラスでは初めてのセザンヌ。しかも油絵を始めて3ヶ月くらいしか経っていないのですが、
皆さんがんばっています。
批評風景。
セザンヌは非常に気をつけることが多いのですが、さすが、現代絵画の父!!
描いている時の充実感は他の画家とは比べ物になりません。
夢中になり気がついたら2時間なんて、あっという間に経ってしまいます。